文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究:構成論的発達科学-胎児からの発達原理の解明に基づく発達障害のシステム的理解-

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領域代表挨拶

人の心はなぜどのように発生し発達するのでしょうか.そして発達障害はなぜどのように起こるのでしょうか. その解明は,人間の深い理解,発達障害への正しい対応,革新的な知能システム技術,などへの重要な鍵となります.従来,心に関する様々な研究分野で膨大な知見が得られているものの,断片的または現象論的なものが多く,根源的,包括的な理解には至っていません.新学術領域「構成論的発達科学」では,新たな研究の焦点と方法論,そして分野を超越した融合研究により,人の心の発達に関する革新的な理解の体系を打ち立てようとしています. 発達とは連続的な変化であり,遺伝子,身体,神経系,環境にまたがる極めて複雑な相互作用の結果生じます.発達の根源的な理解のためには,この連続変化がどう始まり,どのような原理で駆動されるかを知る必要があり,包括的な理解のためにはこの複雑な相互作用と多様な発達軌跡の全体像の理解を構築する必要があります.この極めて挑戦的な研究課題に,ロボティクス,医学,心理学,脳神経科学,当事者研究が一丸となって切り込んでいます.特に,発達の原初,すなわち胎児期からの発達に焦点をあて,当事者の内部観測,体系的継続的臨床計測,統合的包括的なモデル構築,身体・環境を含めたシミュレーションやロボット実験,を有機的に統合した構成論的方法により,発達の原理と多様性に関する根源的包括的理解の基盤を構築しています. そして,この新しい発達科学に基づき,発達障害の真の姿を捉える包括的診断法と,真に当事者に有益な支援法,支援技術の構築に取り組んでいます.

領域代表

東京大学大学院 情報理工学系研究科 教授   國吉 康夫

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